重厚と優雅が穏やかに交わる意匠。

ソシオ新白島の計画にあたり、この地で暮らすことの価値を建物自体で表現したいと考えました。テーマのひとつは広島市における白島の由緒ある歴史と、新白島駅に象徴される未来への先駆けとなるアクセスが交わる立地をGradation〈グラデーション〉で表現すること。10色のタイルで76通りの組み合わせをつくり、ファサード全体で白から黒へと変化する自然なグラデーションを具体化しました。白から黒へと変化する建物を支えるように広がる列柱と車の出入りするゲート。それはまさに現代の武家屋敷を思わせるような重厚さと優雅さが穏やかに融合する佇まいといえます。

都心の隠れ家としての構え。

もうひとつのテーマは、広島市中区という都心のアドレスを持ちながら閑静な住宅街としての落ち着きを漂わせる街にふさわしい住まいとして、都心の隠れ家的な要素を盛り込むことでした。そこで、エントランスへと続くアプローチを長めに設定し、柱と乳白色のガラスで囲うことで、外の光を採り入れながらも視線を遮る空間を実現。重厚な列柱により雄壮な門構えの建ち並ぶ武家屋敷をイメージさせることで、風格までも醸し出したいと考えました。

安全と安心は愛着を育む。

Secure base〈セキュアベース〉は「安全基地」と訳される人間の愛着行動に関する心理学的な概念です。「ソシオ新白島」は都市生活のセキュアベースとして万全のセキュリティシステムを導入するだけでなく、建築そのもので実現可能な安心の心理的要素を盛り込みました。風除室の左右に配された2枚の壁とエントランスの木調のドアにより、外からまっすぐには建物内部が見えにくい工夫と配慮を実現。外からの視線を遮りながら、内部の豊かな空間を創造できることで、安心して帰ってきたいと思えるエントランスを創造。そのことが、やがて、住まい全体への愛着を育んでいきます。

素材の組み合わせと光が織りなす響宴。

『インタークロス』というコンセプトは、エントランスホールにも活かされています。風除室からエントランス、エントランスホールへと続く床と壁は同じ素材のタイルを用いながら、色や貼り方を変えることで、空間ごとに異なる趣を演出。エントランスホールに設置されたオブジェもサイズの異なるタイルの貼り方の組み合わせにより、様々な模様を表現しています。そして、照明を巧みに使い分けたライティングが空間の要所に陰影を与えることで、格調高いホテルのような雰囲気を漂わせます。

↑TOP